2007/02/23 00:38:01
(D.wVGB1Z)
トリップもない書き込みだったし、
結構大胆な内容だったから、
普通だったら信じなかったかもしれないのだけれど・・・。
前の日に、予告の書き込みがあったのを憶えていた。
だから、わざわざ向かってみることにした。
オレンジ色の電車で環状線の真ん中を東に横断していく。
眼下の川を地下鉄が横断するのが見えるその駅の、
下りホーム最後尾が彼女の指定だ。
一本前の電車が出ても、彼女は現れない。
ホームの階段方向を見渡しても、それらしい人の気配もない。
もうすぐ、予定の快速電車が到着しようとしていた。
遠く、ネオンの輝く電気街の方向から、
トラスの鉄橋を跨いで黄色いラインの電車がこちらに近づいてくるのが見える。
向かい側の線路に、その黄色いラインの電車が先に入線する。
ドアが開き、最後尾に近い付近、
真っ白なダウンのロングコートが降り立った。
ゆっくりと近づき、隣に並び快速電車を待つ。
一度、チラリと目が合った。
意外だった。
書き込みの雰囲気は、
絵文字も使われていて、なんとなく溌剌とした雰囲気だったのだけれど、
今、隣で電車を待つ女性は、年齢的にも自分に近いと思われる、
大人の魅力にあふれた、上品な人だった。
書き込みどおりの服装、髪型。
確信した。
支線直通の快速電車が到着する。
車内はガラガラだ。
僕は彼女の動きを誘導するようにしながら、
最後尾の壁際に。
そして斜め前に彼女・・・。
空きすぎていて、どうにも距離が詰められない。
それに、僕はともかく、このときまだ、
彼女に100%の確信はなかったんだと思う。
サイトの書き込みを見て、自分を触りに来た男なのかどうか・・・?
まずそれを、彼女に伝える必要があった。
電車の揺れから体を支えるように、
彼女は運転室の壁に手をついて立っていた。
その手の親指の、ほんの爪先に、
僕の親指を微かに重ねるように触れる・・・。
避けることなくそのままの彼女、
ゆっくりと、その親指の腹で、
彼女の親指を愛撫する。
電車が次の停車駅へと減速を始める頃、
契約は成立したようだった。
彼女が壁から手を離し、
コートの前のファスナーを下ろす。
最後、長いマフラーにファスナーが噛んだのか、
少しだけてこずって、もどかしい彼女の想いが伝わる。
コートの前が開くと、黒い、レースをあしらった、
煽情的なミニスカートが覗いた。
電車が最初の停車駅を出る頃、
彼女に手を添えるようにして、更に壁際に、
僕に重なるように、位置を誘導する。
そして・・・。
長いコートの裂け目から手を入れていった。
熟した果実のように柔らかな、ストッキングに包まれた太腿の感触。
その上に、ガーターベルトとなめらかな素肌。
そして切れ上がった、大人びた下着のライン・・・。
冷えた手は嫌だと言っていた彼女のために、
ポケットで暖めていた左手はしかし、
彼女には冷たく感じたはずだ。
彼女の下半身は発熱していた・・・。
下着の上から押すように揉むだけで、
彼女の微かな震えが始まる。
目を閉じ、快感に集中しようとする美しい横顔が、
僕の温度も上げていく。
下着を潜るとそこは、予想通りの状態だった。
小さな核を探るように、ぬめりを掬って塗り上げていく。
彼女が目を閉じたまま俯き、自らの震えに耐えている。
湧き出すものの入口に指を当て、
わざと焦らすように、ゆっくりと沈めていく。
沈んでいく指に反するように、
俯いていた彼女の顎が上がっていく。
指の根元まで入ったところで不意に、一気に掻き混ぜると、
初めて、辺りに伝わるような、戦慄きにも似た震え。
そして、溢れるものが、
指を通して、彼女の熱を僕へとのり移らせる。
二人の温度がようやくシンクロしそうになった頃、
無常にも、目的のターミナルへ到着するアナウンスが流れる。
僕が指を抜くと、
はじめて彼女はしっかりと僕の目を見て、
それから信じられないほど可憐な笑顔を見せて、
「どうも・・・。」
と囁いた。
「時間、ないんですよね。」
そう聞く僕に頷き、
「また・・・今度。」
そう彼女は言った。
ゆっくりと、まるで余韻を楽しむように徐行しながら、
電車はホームに滑り込む。
ドアが開き、別々に車外に出る。
冬の空気が僕を包んで、
今までの微熱が引いていくのを、僕は感じていた・・・。