2007/08/08 23:33:48
(OUujRlwm)
車を走らせてスグ、彼女が甘えてきた。
助手席で体制を何度も変え、
そのたびに体を俺に預けてきた。
正直、許されるなら家まで持ち帰りたかった。
何をしようと言うわけじゃなく、
ただ一緒にいたかった。
彼女を地元に近い場所まで送ることも考えた。
けれど、時間が許さなかった。
頑なに最寄り駅を教えることを拒んでいた。
そんな彼女に
「ソコまで送るよ」
なんて言う勇気は持ち合わせていなかった。
話し合い、結局最初の目的地である駅に向かった。
駅にはスグについた。
「また呼んでね、会ってね。」
自分の女々しさを感じながらそう言った。
「・・うん。」
彼女はそう答えた。
おそらく会ってはもらえないだろう。
静かにそう思った。
ロータリーに車を止め彼女を抱きしめた。
「忘れ物ない?」
「うん」
「じゃあ」
「うん」
悲しくて切ないがやはり終わりは止められなかった。
彼女の後姿が消えるのを見届け家路についた。
彼女の返事に一縷の望みを託し、
代わり映えのない毎日をこれから繰り返すのだろうか?
願わくば、下心を思い出す前の、
あの楽しい時間をもう一度彼女と過ごしたい。