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2005/06/03 23:44:56
(wmTSVzXE)
不思議な縁のある娘だったんだ。
初めて見かけたのは2年前。
埼京線に乗るという、一方的なスレだった。
ガラガラの車内で、いるにはいたのだけど、
当然誰も手を出せず・・・。
でも、そのあと2回、埼京線で偶然見かけた。
それだけでも縁があるのかもしれないけれど、
実はそれ以前から、
全く別件のスレにレスして、メールだけで終わっていた娘・・・。
それが彼女だったのだ。
全くの偶然からそれを知り、
その後は、時々メールが来て、電車や映画館で・・・
そんな関係だった。
でも、ちゃんと話した事はない、
いつも声かけをしないで、触り、黙って立ち去る、
そんな関係だった。
その彼女から、先日昼前にメール。
午後から映画を見に行くという。
自らも映画館に勤務している、とっても映画好きの娘。
ちょうど昼から空いていた僕も、
ご一緒させてもらう事にした。
「でも今日は、見たい映画だから真剣に見ますよ(笑)」
「わかったよ。仲良く見よう!」
約束の映画館に、開演ギリギリに駆けつける。
彼女は入場している。
チケットを買おうとして、、、困った。
「全席指定となっております。」
彼女の座席がわからない!!
メールを打ち待つ。
開演時間が過ぎる・・・。
5分ほどだったと思う。
すごく長い時間に感じた。
映画好きな彼女、マナーを守って携帯を切ってしまったか・・・?
あきらめて、普通に別の席を取ろうと、
もう一度チケットブースに戻り、財布を出したところでメール着信!
「K−11です。もう電源切ります。」
隣席のチケットを取り館内へ。
彼女は映画を楽しむべく、ポップコーンを抱えていた。
隣に来た僕に、ちょっと驚いたように笑ってくれる。
並んで座り、普通にスクリーンを見る。
盛りを過ぎた女性が、偏屈な老トレーナーと、
ボクシングを通じて成長していく物語・・・。
いつしか引き込まれていった。
だから、、、何もしなくてもよかったのだけど。
隣で腕を組んだ彼女の、腕の下から出た指先が近付く。
身体を寄せ、恋人同士のように、
その指先に、僕の指を重ねる。
躊躇いがちに、でも逃げることなく、
じゃれあうような指先。
もう片方の手の甲で、
そっと彼女の頬からうなじへと・・・。
指を返して、顎から唇へ・・・。
恋人達が戯れ合うように、
そんなふうに、優しい気持ちでストーリーを追っていけた。
映画は中盤に入り、激しい試合のシーンが多くなる。
物語の高ぶりに合わせるように、、、
ジーンズに包まれた、彼女の太腿に手を置いてみた。
膝に掛けた上着の下、
彼女が座りなおすように体勢を変えると、
僕の手の自由が増した気がした。
スクリーンでは、いよいよ佳境のタイトルマッチがはじまる。
言葉の理解はいらなくなった。
ただ、映像の高まりに合わせて、
気持ちを高ぶらせていけばいいのだ。
ストーリーが飛ばない程度に・・・。
彼女が自らベルトを外し、協力してくれる。
ボタンを外し、ファスナーを下ろし・・・、
一気に手を入れた。
そのまま裂目に沿って指一本を押し付け、
じっと静かに次を待つ。
先ほどの、指先の戯れ合いだけで、
彼女は充分に潤っていた。
押し付けた指に、ヒタヒタとぬめりの纏わりつく感触。
そこだけ熱い、彼女の体温。
彼女が腰を蠢かせ、「当たり」のいい場所を求めてくる。
その動きを待って指を動かすと・・・。
彼女の「想い」と、僕の指先がシンクロした。
シーンにして、ほんの10分程度のファイト。
彼女はキュっと脚を閉じて、昇り詰めてしまった。
そのあと、ヒロインのボクサーは、
対戦相手の卑怯なパンチに倒れ、再起不能になってしまう。
そこからは、彼女も完全に、ヒロインに感情移入し、
涙しながら銀幕を見つめ、僕に寄り添うことはもう無かった。
だから、本当はちょっと気まずかったんだ。
見たい映画だったのに、結局・・・。
でも、場内が明るくなった時、
彼女は笑ってくれた。
初めて、2年の時を経て初めて、
二人はメールでなく、言葉を交わすことができた。
すごく素敵だった今日の映画、大好きな女優、男優。
興奮気味に話し掛けてくれる彼女が嬉しくて、
チケット代を受け取ってくれなかった彼女に、パンフレットをプレゼント。
それからお茶を少しだけ・・・。
映画少年だった僕、こんなに映画を熱く語ったのは久しぶりだった。
でもね、僕以上に、
彼女は熱く映画を語ってたんだけどさ・・・(笑)