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2005/07/24 23:49:27
(vSLYXPzy)
ホームでの待ち合わせ。彼女は約束どおりにやってきた。
すでにホームにはたくさんの乗客が並んでいる。
彼女は列の最後尾に顔を伏せ静かに並んだ
僕は彼女の後ろに悟られないようにそっと立つ。
挨拶はしない。メールもしない。
事前に約束してあった事がある。
・途中までは声かけしない
・絶対に振り向かない
・僕は間に合わないかもしれないが、必ず指定の電車に乗ること
・地下鉄などでメールが返せないことがあるかもしれない
彼女とはすでに顔見知り、リアルの緊張感を演出するための作戦だ。
ほどなくして電車が到着。僕らは最後に電車に乗り込む。
彼女はうつむいて周りを見ないようにしている。
彼女の視野に入らないようにしながらポジションを取っていく。
なんとか背後に回りこみ、彼女はドアと僕とのサンドイッチ状態。
体が密着するほどではない微妙な混み具合。
周囲に悟られないように慎重に指を進める。
次の駅でこちら側のドアが開いた。
いったん降りて再び乗り込む。
彼女からは少しずれてしまった。
彼女の後ろに居る太った革ジャン男が邪魔。
少しずつ押していくが、革ジャン男は頑として動かなかった。
普通なら押されたら移動するもの。変な奴。
次の駅で再びこちら側のドアが開く。
乗客が降りて車両は空いてきた。
彼女は奥に進み、ドアとドアの中間くらいになった。
僕もうまく彼女の後ろに立つことが出来た。
その時、人に押されて流れてきたかのように革ジャン男が近づいてきた。
電車が発車すると、加速にあわせてぐいぐいと体を僕に押し付けてくる。
さっきは頑として動かなかったのに、今度は逆に動いてくる。
『間違いない、こいつ、本物の痴漢だ!』
電車プレイの場合、僕は周囲にばれないように気を使っている。
この程度の混み具合で、ミニスカ女性の後ろを男が二人で押し合いしてる。
そんな状況では周囲からばればれだ。
彼女は元々OK娘。本物の痴漢に触られてもなんら問題ない。
危なくなったら助けてあげればいい。
そう思って戦線を離脱した。
彼女の顔を見る。うつむいていて良くわからない。
男の手は彼女との間に不自然に入っている。
明らかに何かをしている。しかし何をしているかはわからない。
彼女の前には野球帽をかぶった男が彼女に正面向いて立っている。
満員ならともかく、この程度の混み具合で正面を向いて立つか?
この野球帽男も怪しい。
駅に到着。再び客の乗降。その客の流れの中で、二人の男は
彼女をぴったりとサンドイッチして離れなかった。
『間違いない。こいつも痴漢だ!』
少し離れたところで見物を決め込んだ。
二人は彼女にぴたりと張り付いている。
どこまでされているかやはり分からない。
彼女は野球帽の胸に顔を埋め、時々体をピクピクとさせている。
感じさせられて居るんだな。そこの痴漢!ちょっと羨ましいぞ!!
駅に着くたびに徐々に車内は空いていく。
いつしか三人はドアのコーナーに移動し、
痴漢二人が壁になって彼女の姿が見え辛くなった。
まもなく終点。彼女にメールを打つ。
メールの着信に気がついた彼女は携帯を開いた。
表情は見えないが、少し驚いたんじゃないかな?
『いま触ってるの僕じゃないから。僕が触ったのは最初の一駅だけだから。
降りてから危なかったら助けてあげる』
終点に到着してホームに降りると、二人が彼女になにやら話しかけている。
やはり二人組の痴漢だったのか。どおりで連携が良かったわけだ。
彼女が首を横に振ると、痴漢組はあっさりとあきらめて行ってしまった。
「真由美ちゃん、どうだった?」
「あんなとこ見られてしまって、恥ずかしい・・・かなり強引だったし」
「どこまで触られた?」
「中まで触られて指入れられちゃいましたw」
「あの二人、なんて話しかけてきたの?」
「これから3人で遊び行こ♪って言われたけど、普通に断ったらわりと
アッサリひいて、また触らせてね〜★とか言いながら爽やかに去って
いったよ(笑)」
「なんだか体がピクピクしていたね?」
「だって気持ち良かったんだもーん。囲まれるの大好き!」
囲まれて良かったね、真由美ちゃん。